■有名な話ですが、日本の「スーパー戦隊シリーズ」はアメリカでリメイクされて「パワーレンジャーシリーズ」として放映されてます。海の向こうでも、もう20年以上に渡って続いています。
今回はその中でも日本の「魔法戦隊マジレンジャー」をアメリカでリメイクした「パワーレンジャー・ミスティック・フォース」を中心に揃えました。
2017年に完全新作映画「パワーレンジャー」が公開されたので知ってる人は知ってると思います。
あれ、私は平日の映画館に観に行ったんですが、お客さんは私含めて4人しか居ませんでした。しかも公開から随分経っているのに余っているのか先着特典のイラストカードも貰えました。どんだけ人気なかったんだよ、、、、
元々はスーパー戦隊第16作目「恐竜戦隊ジュウレンジャー」をアメリカでリメイクした「パワーレンジャー」1作目が爆発的にヒットしたので現在まで続いている長期シリーズとなっています。
パワーレンジャーは、日本俳優のドラマ部分を全てアメリカ俳優に置き換えてリメイク。カネの掛かる変身後のアクションやロボ戦闘シーンは日本の特撮映像を流用して作成されてます。
そのせいか最初期のパワーレンジャーは話がチグハグなのが多い。ドラマ部分は如何にもリア充パーティ-ピーポーなメリケン高校生によるビバリーヒルズ青春白書チック物語なのに、突然怪人が手下を連れて乱入、RPGゲームみたいに「敵が表れた!」→選択肢「戦う」で変身→「やっつけた!」大喜びってパターンです。
日本のスーパー戦隊での怪人側は人間を苦しめる作戦を展開したり、正義側の弱点を突いたり、敵組織内の下剋上があったりと戦闘に至るまでのドラマがあります。
それを全て無視して「学園青春ドラマ」→「怪人と戦闘」と潔くブッた切った展開なので「ええっ」て思うことが多々あります。
その中の一つ、パワーレンジャーシリーズ12作目「パワーレンジャー・ミスティクフォース」の日本版DVD―BOXが入手出来ました。これは日本のスーパー戦隊第29作目「魔法戦隊マジレンジャー」のリメイクに当たります。
※アメリカ版(パワーレンジャーミスティックフォース)はDVDーBOX上巻、日本版(魔法戦隊マジレンジャー)はDVD1〜6巻及び劇場版を付けました。ちょうど内容的にはアメリカ版と日本版が重なっているので、色々な違いを見るのも楽しいです。
「魔法戦隊マジレンジャー」はハリー・ポッターがヒットした影響か、主人公達は見習い魔法使いで、魔法を使ってレンジャーに変身します。
変身道具はガラケーから魔法の杖に変形すると言う無茶振りな道具。また移動手段は魔法使いらしく箒です。が、箒もスターウォーズに出て来るスピーダーっぽいナニかに変形します。
お約束の巨大ロボはレンジャーが変身した姿です。生身の一人一人が中型ロボットに変身、そこから合体して巨大ロボになります。あとレンジャーは全員兄妹。因みに第一話で指導役の母親も巨大ロボになって奮戦しますが、破壊されてバラバラになってます。
レンジャーは5人兄弟ですが、前述の通り第一話で母親は破壊され、父親は随分前から失踪中。収入は5人兄弟の長男が裏庭で育てている野菜販売によるもののみ。
因みに末っ子は高校生であることは描写されてますが、次男も長女も次女も働いているのか、学生なのか、描写が全くありません。昼間からフラフラしているので、長男以外は全員無職っぽい。しかも長女は十五股交際というビッチ!(視聴対象は子供なのに!?)
常に兄妹はお金に困っているのに、長男以外はバイトしている様子も無い。
「この家族大丈夫か?」と別なところが心配になってきます。
折角なので、日本版とアメリカ版の違いを堪能して頂きたいと願いました。
そこで、入手出来たアメリカ版のDVD−BOXは前半部分なので、そこに該当する日本版「マジレンジャー」のDVD1〜6巻も準備。これで双方を観て頂ければ、何処が改変されているか一目瞭然です。
えっ!それ、何の意味があるの?とか聞かないで下さい。
で観てたら分かるんですが、日本版とアメリカ版を観比べていると同じ様な撮影場所が何度も出てきます。これは先行して作られる日本版が後からパワーレンジャーでリメイクされる事を見越して、わざわざアメリカ版撮影現場のニュージーランドまでロケに行ったからだそうな。
日本版のオープニング映像にある森の場面とかは明らかに日本に無い場所なんで、此処はニュージーランドで撮ったんかな?と思いながら日本版を観るのも一興かと。
パワーレンジャー版は、アメリカでは人種を公平に入れなければならないというキマリがあるらしく(ポリコレ)、日本版の兄妹設定は無くなり、同じレコード店のバイト仲間となってます(高校生っぽいけど学校の描写が無い)。
狭いレコード店なのにバイトが5人(全員レンジャー)に店長まで居るので、人件費が経営を相当圧迫してんじゃないかと心配になります。
ポリコレに関してですが、初代パワーレンジャーはなんとブラック戦士が黒人、イエロー戦士がアジア人!ポリコレ以前の問題じゃねぇか!?と驚きます。
流石に後のシリーズでは、黒人がブラック戦士に成ることも、アジア人がイエロー戦士になることも有りませんでした。まぁ、当たり前でしょうね〜。
レンジャーの性格等も日本版とはかなり変わっており、日本版レッドは末っ子で無鉄砲な性格でしたが、アメリカ版はリーダーらしく冷静沈着な頼れるリーダーに。逆に日本版ではクールでクレーバーなイエローが、アメリカ版では「うっかり八兵衛」みたいなキャラクターに。あと日本版ピンクのビッチ設定は無くなってました。
日本版の母親役にあたるアメリカ版魔法師匠は死んでません。日本版では巨大化して戦いバラバラにされて退場しましたが、アメリカ版も負けて爆発四散したトコまで一緒ですが、何故か生きてました(流石に衝撃的過ぎたからね〜)。
日本版と同じく6人目の追加メンバーが登場しますが、ココが最大に違います。
日本版と同じく6人目のメンバーは大昔から主人公(レッド)の父親や母親と共に邪悪と闘い続けたベテラン戦士と言う設定ですが、何故か日本版は他のレンジャーと同じ年代の年若いイケメン。
流石にアメリカで「これはオカシイだろ」となったのか、6人目の戦士は恰幅の良い中年となっています。
しかし、此処で問題です。日本版では6人目の戦士はブルーレンジャーの女の子と結婚する展開になるのですが、アメリカ版でその粗筋のまま進むと中年のオッサンが女子高生に手を出した、と倫理的にどうなん?という展開になります。
アメリカ版の後半DVD−BOXは未視聴なんで結果は分からないのですが、どうなるんでしょうね〜。ピンクビッチ以上に問題な展開かと、、、
他にパワーレンジャー・ミスティックフォースは主題歌がなんとラップ調!日本の戦隊モノでは絶対に採用されないであろう曲調のOP曲です。
他のパワーレンジャーのOP曲は基本的にはストレートなロック調なので、この作品だけ非常に違和感があります。
ラップ調のOP曲については、海外のサイトで「監督が音楽家にOP曲を依頼したらラップで作ってきたので激オコ!」って記事がありました。一時は使わないとまで言ってたのに時間が無くて結局採用になったとか(真偽不明)。
※流石に海外版玩具は入手出来なかったんで(レンジャーのアメトイなら日本橋のアストロ・ゾンビーズって店がおススメ)、日本版の玩具です。どのキャラもスカイホーキっていう箒が変形した乗り物に乗せれます。しかし、フィギュアの腹筋がエライ割れてるな〜。
※このロボットは放送終了後かなり経ってから作られたモノです。バンダイは定期的に昔の戦隊玩具を新シリーズで出したりします。ソフビはライバルのウルザード(造形的にはコイツが一番格好イイ)、6人目戦士マジシャイン、魔法師匠のマジマザー。
そしてパワーレンジャーミスティクフォースだけでは足りないかと考えまして、一番最初のパワーレンジャー(日本版では恐竜戦隊ジュウレンジャー)の映画版を付けました。最新の2017年版の映画では無くて、1995年版の最初の映画です。
観て分かりますが完全に子供向け(そもそもパワーレンジャー自体が子供向けなんですけどね)。劇場版はアメリカで完全製作され日本版映像の流用は無し。
其のせいか、なんかアクションがモッサリしてる。レンジャーも変身せず生身(何故か忍者装束)で戦うシーンが多いので余計に展開が遅く感じます。
あと巨大合体ロボは全部CGで描かれていますが、昔のCGなんで妙にキラキラしていて違和感バリバリな上にカクカクした箱型ロボで格好悪いです。
※1995年版「パワーレンジャー劇場版」の巨大合体ロボ。顔が無いし、全体的にモッサイ。
※2017年版「パワーレンジャー劇場版」の巨大ロボ。こちらも顔が無いし、どうやって合体したらこうなるんや?って造形。アメリカ人的には顔が無いロボが好きなのかな?
※初代パワーレンジャー(日本版・恐竜戦隊ジュウレンジャー)
マジレンジャー関連以外に、以下の初代パワーレンジャー関連のDVDを付けました。
※パワーレンジャー第1作目の劇場版DVD。クリスマスには店頭からパワーレンジャーのフィギュアが全て売り切れたって実話を元に作製された映画「ジングル・オール・ザ・ウェイ」のDVD。シュワルツェネッガー主演だったりします。
日本でスーパー戦隊の映画は仮面ライダーと共に毎年夏休みに公開されてますが、アメリカでは1997年制作の2作目パワーレンジャー映画が派手にコケたので、2017年までの実に20年間も映画版は制作されてませんでした。
まぁ、2017年版の映画も製作費回収は出来たものの、興行収入が期待以下で次作制作が頓挫しています。
それでも懲りずに別の会社が再度パワーレンジャーの映画を製作するそうです。
2017年の映画は無かったことになり、新しいレンジャーによる完全新作とのこと。新しいレンジャーは日本版を元にしないアメリカ・オリジナルのレンジャーになるそうです。
平行して、これまで日本版をベースに製作されたパワーレンジャーTVシリーズもアメリカのオリジナル・レンジャーで製作されるとのこと。
ただ、今放映しているのが日本版「騎士竜戦隊リュウソウジャー」をベースにしたモノで、次作「魔進戦隊キラメイジャー」までは契約しているそうなので、アメリカ版完全新作のパワーレンジャーが放映されるのは再来年くらいっスかね。
ただ以前にアメリカでロボ系の特撮を撮ると莫大な製作費が掛かるからTVシリーズは無理って言ってたので、アメリカ・オリジナル・レンジャーはどうなるんでしょうね〜。ロボ戦は無くなるとか?それじゃマーベル・ヒーローと変わらないやん。
取り敢えず、過去の劇場版に登場したノッペラボウ・ロボのデザインは止めて欲しいな〜。