■これまでは70〜80年代のスーパーロボット・リアルロボットが中心でしたが、今回は趣向を変えて昭和60年代のレトロなロボたちです。
横山光輝の名作「鉄人28号」と「ジャイアントロボ」。
横山光輝といえば「三国志」が超有名ですが、私の中で一番は本家終末ロボット漫画「マーズ」、そして二番は元祖ヤンキー漫画「あばれ天童」でした。子供ん時にリアルタイムで連載してたんがこの二つだったんで。
横山光輝の有名作品は他にも「バビル2世」や「仮面の忍者 赤影」、あと「魔法使いサリー」もそうだった。「バビル2世」の漫画版は本編よりも後日談の「その名は101」の方を読んでましたね〜。
ああ、横山光輝作品を書き出すと止まらないんで今回は対象玩具となる「鉄人28号」と「ジャイアントロボ」に絞ります。
鉄人28号は神戸長田駅前に等身大モニュメントが立ってますし、何度もアニメ化や実写映画化もされたので説明不要だと思います。
※神戸市長田駅前のモニュメント。デカい!
元祖リモコン操作の巨大ロボット。ロボを操る主人公の金田少年は謎の多いキャラクター。まず、小学生の癖に「学校に通ってない」。なんか小学生ユーチューバ―で登校拒否のそんな奴居たな〜。
他にも「探偵事務所を経営」「ピストルを保有」「クルマも運転する」っていう不思議属性テンコ盛り。
その上、かなり年配の警察署長を同級生のように扱う傍若無人なキャラクター。
署長も怒れよ!「上下関係は大事にしないと大人になって苦労するぞ!」って!あと「取り敢えず義務教育は終了しなさいって」!周囲の大人がちゃんと導かないと、、、
昭和60年代は少年探偵ってのが憧れの存在だったのか(架空の職業ですが、現代の「なりたい職業1位ユーチューバー」よりは100倍マシかと)、同時期に「少年ジェット」って探偵物の実写番組が有りました。白黒作品なんですが、私が小学生の頃に朝6時から再放送をしており、親に隠れてコッソリと視聴していました。
「少年ジェット」は初期実写(白黒)作品の自由な時代。
マジで子役が公道でベスパを乗り回して拳銃をぶっ放します(間違いなく無免許!その上ノーヘル!)。
自分はバイクに乗ってるのにペットの犬に「付いて来い!」と鬼畜な命令をします。
途中で主人公の役者が交替するので顔が変わりますが、特に2代目とか名乗ることもなく誰もそんな事は指摘せずに話は進みます。
悪者で泥棒の「ブラックデビル」は片方だけ色がついたサングラスを掛けてます(目立ってショウガナイだろ!)。
他にもドラム缶体型のガラクタみたいなロボットも登場します。
あぁ、ツッコミが追いつかん!
少年ジェット自身も金田少年並みに属性テンコ盛りなのにインパクトが弱いと考えられたのか、突然に必殺技を習得します。「ウ〜ヤ〜タァ〜」と叫ぶと地震が起こるというトンデモね〜技。しかもこの技は修行とかで獲得した訳でなく、悪者に拉致洗脳された際に無理矢理覚えさせられた技だったりします。
まぁ、実際の映像ではカメラをグラグラと動かして役者さんもそれに合わせて身体を揺らしながら「うわ〜」って叫ぶってだけのチャッチイ技(特撮)ですが。
何もかも安っぽいですが、一度観ればレトロ成分の過剰摂取でクセになります。以前に持参しました白黒特撮ドラマ「月光仮面」よりも、実はこっちの方が好き。
また話が逸れましたが、当時は少年探偵物が人気ジャンルの一つだったようです。
で、今回は久々に「鉄人28号」の原作漫画第1巻を購入して読みました。すると自分の中の「鉄人28号」像がかなり間違っているコトを思い知らされました。
自分の記憶では「鉄人28号は金田少年の父親が造ったモノ」「鉄人28号は父親が隠しており金田少年は遺言によって発見した」というモノだったんですが、実際は違います。
まず鉄人28号と金田少年の父親は全く関係が無かった。鉄人28号は悪者が太平洋戦争の際に日本軍により作成された設計図を元に造ったものでした。
なんで鉄人28号は序盤で悪の手先として破壊の限りを尽くします。ほぼ第1巻中では鉄人28号は悪役のまま。途中で金田少年が鉄人のリモコンを奪って逃走、そのまま隠匿したというのが真相でした。
そのせいか登場する初期の鉄人28号は我々が知ってる顔と違い、ウソ吐いた時のピノキオみたいに鼻が長くて悪そうな顔をしてます。
これについてはネットで調べると、元々は「鉄人28号」は「金田少年探偵シリーズ」として構成されてたらしく、鉄人28号自体も第一部限りのゲストキャラだったそうです。しかし、予想外に鉄人に人気が出たのでメインキャラに昇格し、話全体の構成も変わったとのこと。
全然知りませんでしたね〜。金田少年のお父さんって(お母さんも)漫画版では全然出て来ないんだけど、ナニやってた人なんだろう。傍若無人に育った金田少年を見てると随分甘やかして育てたんかね〜。
あと常々「鉄人28号」なら1号〜27号はどうしたんだろ?と思ってましたが、原作ではちゃんと登場します。1号〜27号は28号を造るための試作品で、1号から26号までは実験機なんで全て同じカタチをしてました。27号のみ違う人型をしていて本編で暴れます。
鉄人28号は2005年に実写映画版が制作されてます。総製作費10億と気合の入った映画です。このDVDを付けていますので是非鑑賞して下さい。
多分、観終わった後「どこに10億円使ったの?」と思われる事、間違い無し!因みに興行収入は1億円の大爆死。
見せ場の鉄人対ブラックオックスのCG戦闘シーンが酷い。なんか軽そうな鉄人とブラックオックスがジャイアント馬場的な緩慢な殴り合いをしているだけで迫力が無い。コケても殴られても両者とも傷一つ付いて無いのでリアリティも皆無。ゲーム画面を実写風景に当て嵌めただけっぽい戦闘シーンは脱力します。
加えて、主人公の正太郎少年が意気地無しでイライラします。少年の成長物語が主軸なんで仕方ないですが、ちょっとしたコトで怯えたり泣き出すなんて正太郎じゃない。ガキの癖にスパっと竹を割ったような性格が正太郎の魅力なのに、、、。
ストーリーは原作では戦後間もない時代設定でしたが、映画は現代が舞台です。
なので悪人が徒手空拳のロボット(ブラックオックス)を暴れさせたら周囲は手も足も出ないっていうのは時代遅れな感じが。現実だったらハプーンミサイル一発で片付きそう。
戦後日本設定をそのまま現代に持って来たのでツッコミどころ満載。太平洋戦争の遺物・鉄人28号がなんで現代でも無敵なのか。現代が舞台なら、自衛隊の攻撃を無効にするサイバー攻撃とか無人戦闘機の大群などの最新兵器を咬ませて展開して欲しかった。
※今回のDVDは、ジャイアントロボ(アニメ版)全3巻(全6話)、鉄人28号(白黒アニメ版)1巻(第18巻)、そして実写映画版・鉄人28号。
次は「ジャイアント・ロボ」。私が子供の頃は実写特撮作品として放送されてました。
鉄人28号と同じくリモコン操作ロボですが、前作と違いを出す為か主人公の草間少年は腕時計型リモコンに向って「Hey,Siri!」みたいに音声入力で命令します。
ジャイアントロボも鉄人と差別化を図る為か指令を受ける度に「マッ」と意味不明な声で応答します(鉄人は喋らなかった)。あと徒手空拳だった鉄人と違ってミサイルなどの内蔵武器も多数有。
敵はBF団というギャング組織で実写特撮版も漫画版と同じなんですが、TV版はそれだけではインパクトが弱いと思われたのか「ギロチン大王」って宇宙人の大ボスが追加されてます(そのせいでBF団が意味不明な組織になってます)。
※特撮版ジャイアントロボの勇姿。すみません、特撮版DVDは高いんで用意してません。
原作漫画版のジャイアントロボ取得経緯は、鉄人28号と同じく敵組織から奪取する展開。主人公草間少年は日本の防衛組織と悪の組織の争いに巻き込まれて、偶然にも手に入れたというストーリーになってます(入手経緯が鉄人と余り変わらない)。
また草間少年と呼ばれてますが、本人はトレンチコートを着て海外旅行をしていたので大学生くらいに見えます(鉄人の金田少年と同じく学校に通ってる描写が無いので不明)。
で鉄人28号との最大の違いはジャイアントロボの物語が未完であることです。
原作漫画版では第一部がジャイアントロボ奪取(ジャイアントロボが完成して動き出すまでが異様に長い)、第二部が敵ジャイアントロボ2号・3号との死闘(ココが一番盛り上がる)、第三部が海底に沈んだ水爆争奪戦(怪ロボット・ダゴラー登場)、と凄く中途半端に話が終わってます。
味方組織の全容も説明が少ないし、敵BF団もどんな組織か良く分からない上にボスも登場しないまま。下手に期待して読むと不完全燃焼な気分に浸ります。
そして今回DVDのアニメ版「ジャイアントロボ 地球が静止する日」1992年から1998年に掛けて作られた全6話のOVA版です。このアニメDVD全巻を付けてます(実写特撮版DVD価格が高価斉唱なんでアニメ版のみです)。
このアニメに登場するジャイアントロボはレトロな容姿を現代風にアレンジしており、非常に重厚でカッコウイイ!見るからに重そうなジャイアントロボが同じ様な重量級の敵ロボと相対し力と力でぶつかる描写は優れています。
なんで用意したフィギュアはアニメ版マッシブなジャイアントロボです。あと敵のジャイアント・ロボ2号も付けてます。
このアニメはかなり自由に作られており、原作に登場しないキャラクターばかりで構成されてます(と言うか原作では名前持ちキャラがほとんどいない)。
「横山光輝オールスターズ」ってことなんで、手塚治虫の漫画みたいに横山光輝の多数の作品群からキャラクターが引用されてます。
まず敵のラスボスが「バビル二世」、対する味方のボスがバビル二世の宿敵「ヨミ」、敵幹部に「仮面の忍者 赤影」「魔法使いサリー」が居ます。面白い事に敵サイドに本来は正義のキャラクターが、味方サイドに本来は悪のキャラクターが配置されています。
そして横山光輝の作品はSFよりも「三国志」「水滸伝」の歴史漫画が有名で登場人物も多い。
なので、味方幹部に水滸伝の極悪人英雄「黒旋風」、項羽と劉邦の名将「韓信」、三国志で魏を乗っ取った「司馬仲達」まで駆り出されています。
因みに歴史漫画組の登場人物はみんな律儀に原作通りの着物や甲冑を着て剣や戦斧や扇子(!?)で武装しています。それで機関銃やミサイルと堂々と渡り合うという、とてもSFアニメとは思えない不思議な場面が続々と登場します。
そしてストーリーですが、全11部構想の第10部に当たるそうで、これまで一体何があったのか全く分からないまま始まります。敵味方も長い闘いの中で既に因縁が出来ているんですが、説明が無いので視聴者は置いてけ掘。オイテケ〜、オイテケ〜。
敵味方共に本編に登場している人物以外にもっと強い奴等が控えているそうなんですが、設定だけでどんな奴かも分かりません。登場している人物だけでも大概無敵に近いので、こいつ等よりも強い奴ってなるとドラゴンボール並みのパワーインフレを起こしそう。
この様に色々と問題ありそうな展開なのに、実際に視聴すると面白い。とにかく熱いのです。ロボットが戦ってる下で着物着た人間同士が斬り合っている摩訶不思議空間なのに登場人物のセリフが、生き様死に様が、敵味方共に熱いので気付くと引き込まれています。一体これまでどんな遺恨や後悔があったの?と一瞬疑問が生まれますが、そんなのを吹き飛ばす力があります。
なかなかに不思議な魅力のアニメでした。
前振りが長くなってしまいましたが、玩具についてのお話です。
ジャイアント・ロボは重量感溢れるOVA版のフィギュア、そして漫画版にも登場するジャイアント・ロボ2号機(GR2)も同じくリボルテックフィギュアで揃えます。リボルテックは海洋堂の可動フィギュアシリーズで、非常に良く動く上に劇中と同じポージングも取れます。
そして鉄人28号はその名の通り超合金仕様のフィギュアを用意。重量感とっても有ります。ただ彩色版が無くて白黒版で購入。付けているDVDが初代鉄人28号の白黒アニメなんでこれはこれで良いかと。
※超合金鉄人28号モノクロ版。ジオラマ風。
あと「タイムスリップ・グリコ」という食玩についてたジオラマ風鉄人28号のミニフィギュアも幾つか付けてます。
※下に並べているのがグリコのオマケ。
DVDはジャイアント・ロボのアニメ版新作「地球が静止する日」全巻。鉄人28号は白黒版アニメのDVDと実写映画版DVDを添付。
あと原作漫画は横山光輝版の「鉄人28号」第1巻と「ジャイアントロボ」全2巻(ジャイアントロボは原作が未完)。
他に長谷川裕一版の鉄人28号「皇帝の紋章」全3巻。オリジナルストーリーですが、原作版の鉄人28号に登場する主要敵ロボットがほとんど出て来るトコがツボです。多分、漫画としてはコレが一番面白い。
※上段が原作漫画版のジャイアントロボ全2巻、鉄人28号の第1巻。下段がリメイク版鉄人28号、前に持参した勇者ライディーンのリメイク版漫画を描いた人と同じです。リメイク版のスゴイのは全3巻しかないのに、原作版鉄人28号の有名な敵ロボットがほぼ登場しているトコです。
アカン!書きたいコトが止まらず、文章がメチャメチャ長くなりました、、、。
まずは「ジャイアントロボ・地球が静止する日」を観て頂ければと思います。鉄人28号の方は。まぁ時間の空いた時にでも。